結腸がんの手術

結腸がん手術の適応

大腸のうち、回盲部(小腸末端の回腸と盲腸とのつなぎ目のところ)からS状結腸までの結腸に発症したがんを結腸がんと呼びます。

内視鏡手術で取り切れない大腸がんは、外科的手術の適応になります。

転移の程度や病状や全身状態によっては、化学療法や放射線療法が優先される場合もあります。

手術では、がん組織を含む腸管と転移があるリンパ節、及びその周囲までを含む範囲を切除します。

つまり転移や再発の可能性を減らすため、病巣よりも広い範囲を切除します。また、肝臓や腹膜など他の臓器に転移があり、切除可能な場合にはそれも同時に切除します。
 
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結腸がん手術の主な術式

結腸がんの外科的手術には、根治的手術と姑息的手術・緩和手術があります。

根治的手術とは、病巣を取り除いてがんの根治を目指すための手術です。

これに対して姑息的手術や緩和手術は、当面の症状の緩和や生命の危険の回避などを目的としていて、必ずしもがんの治癒のための手術ではありません。

結腸は回盲部からS状結腸までの1本の管です。結腸がんの手術では、腸を20cm程度(がん組織を含んでその両側10cm程度)切除するのがスタンダードな方法です。

術式は切除する部位(がんがある部位)によって名前が付けられています。大腸の口側から順に、主な術式は以下のとおりです。
 
  • ・回盲部切除術:右下腹部の回盲部にできたがんを切除します。
  • ・結腸右半切除術:腹部の右側を上向きに走行している上行結腸のがんを切除します。
  • ・横行結腸切除術:上腹部を右から左に走行する横行結腸にできたがんを切除します。
  • ・結腸左半切除術:腹部の左側を下向きに走行している下行結腸のがんを切除します。
  • ・S状結腸切除術:左下腹部から肛門の手前までのS状結腸のがんを切除する手術です。
 
いずれの手術も開腹手術と腹腔鏡下手術の場合があります。

腹腔鏡下手術の適応外の場合は開腹手術となり、麻酔は全身麻酔、もしくは腰椎麻酔となります。

腸閉塞や腸穿孔を起こしている場合やそのリスクが高い場合などには、結腸切除術と併せて人工肛門造設術が行われることもあります。

この人工肛門造設ですが、症状が軽減するまでの一時的な場合と永久的な場合があります。
 

手術後の身体への影響

結腸がんの開腹手術では、腹部を10数~20cm程度切り開いて手術をします。基本的に全身麻酔になりますが腰椎麻酔で行える場合もあります。

結腸がんの手術手術では20cm程度の結腸を切除して繋ぎ、その周囲のリンパ節が切除されます。

小腸で食べ物が消化されて便となり、大腸でその水分が吸収されて固形の便として排出されます。

結腸は全体で長さが約1.5mもある器官なので、通常は20センチ程度の切除であれば、手術後の後遺症はほとんどないと言われています。

手術直後、傷が落ち着くまでの1~数か月は便通が安定しにくいことがあり、食事で刺激物や生物は避けた方が良いですが、その後の食事制限はないことが多くなります。

特に合併症などがなければ、概ね手術翌日から水分開始となり歩行も可能で2~3日後には粥などの柔らかい食事が開始されます。

開腹手術の入院期間ですが、合併症や他の治療がなければ3週間程度になります。
 

手術による主な合併症

結腸手術の主な合併症としては、創感染・縫合不全・腸閉塞などがあります。また、全身麻酔による合併症としては循環器合併症・呼吸器合併症・腸閉塞などがあります。
 

創感染・縫合不全

結腸にはもともと腸内細菌がいるため、手術の際にも完全に無菌の状態にすることが困難なことが言えます。

このため、手術の傷(創部)に細菌が付着することで感染を起こす可能性があります。

また、縫合不全とは、手術で縫合した部分がうまくくっつかないことを指します。

創感染と縫合不全は、術後数日してから発熱や腹痛といった症状で見つかることが多く、抗生物質の投与、食事の中止、創部を洗浄したりして治療しますが再手術が必要な場合もあります。
 

腸閉塞

腸閉塞は、腸の手術では重大な合併症です。術後数日で明らかになることもあり、数年たってから発症することもあります。

手術直後に腸閉塞を予防のためには、手術翌日の歩行開始とともにしっかりと体を動かして、腸の運動を回復させることが大切になります。

万一、腸閉塞になった場合には水分や食事の摂取が中止となり、最悪の場合は手術で詰まった部分を切除することになります。
 

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