直腸がんの手術

直腸がん手術と特徴

直腸から肛門までに発生したがんを直腸がんと呼びます。

直腸がん,手術同じ大腸に分類されますが結腸がんと直腸がんでは、がんの進み方や転移・再発のしやすさが異なってきます。

直腸は骨盤の深い部位に位置しています。

その周囲には膀胱・前立腺・卵巣・子宮といった様々な臓器があり、それらの臓器の働きに関連する神経や筋肉存在します。

直腸がんの手術では、がんの根治を目指してがん組織を含む周囲まで切除するとなると臓器の機能に後遺症が残ることがあります。

臓器や神経・筋肉は排尿や性生活といった日常生活への影響が考えられ、生活の質や精神的・社会的生活にも影響することもあり得ます。

また、肛門部や肛門括約筋を切除することによって、排便機能に支障を来すこともあります。

直腸とともに膀胱や尿管などを切除するとなると、手術は消化器外科だけでなく泌尿器科も交えた複雑な手術となる場合があります。
 
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直腸がんの手術の適応

内視鏡で、がん組織が取り切れないような場合には手術が適応されます。

転移の程度や病状・全身状態などの条件によっては化学療法などが優先されることもあります。

直腸がんの外科的手術には、根治的手術と姑息的手術・緩和手術とがあります。

根治的手術では、病巣を取り除きがんの治癒を目的とした手術です。

対して姑息的手術・緩和手術は、症状を和らげる・生命の危険を回避することなどを目的とした手術になります。
 

直腸がんの根治的手術

直腸がんの術式は、切除する範囲と肛門の機能を温存するのか、周辺臓器の機能を温存するのか内容によって分けられます。

主な術式は以下の通りですが、がんの位置や深達度などによって術式は変わってきます。
 

直腸局所切除術

基本、組織が肛門に近い部位に限局した早期の直腸がんに対して行われることの多い手術です。がん組織を含む腸管を部分的に切除します。肛門機能は温存されます。
 

前方切除術

開腹手術にてがんがある腸管を切除します。

腸管を縫い合わせる位置によって、低位前方切除術と高位前方切除術に分けられます。

いずれも肛門機能温存術ですが、低位前方切除術の場合は手術で縫い合わせた部分が肛門に近いため、一時的に人工肛門を造設して傷が治りやすいようにします。腹腔鏡下手術で行われることもあります。
 

直腸切断術

肛門に近い直腸にできたがんに対して行われる手術です。肛門を含む直腸を一緒に切除するため、同時に人工肛門が造設されます。
 

括約筋間直腸切除術

肛門の筋肉の一部を切除し、下部直腸を切除する肛門機能の温存を目指す手術です。

再発や転移のリスクなどがまだ検証不十分な手術です。残存肛門機能の評価は明らかになっていません。

腸閉塞や腸穿孔を起こしている場合や、手術後の排便コントロールが難しいことが予想される時には、併せて人工肛門造設術が行われることがあります。

また、膀胱や尿管を切除する場合、人工膀胱の造設や尿管再建術などが併せて行われることもあります。
 

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